イチモチは、ずんぐりとしたからだつきで、白い銀色をしている。
うろこがはがれやすく、三角形の尾びれをしている。
関東では「イチモチ」と称されるが、中部から関西にかけては「グチ」と云う名前もしくは名称で認識されている。
また、四国の松山では「ニベ」と呼称される事もある。
イチモチは、ニベ科ではあるが、ニベとはちがい、ニベよりも小さめで、からだの色も少しちがいます。
イチモチも、ニベも釣り上げてから「グウグウ」と騒ぎ、音を立てる。
イチモチは、大きなからだをしているわりには、途方もなく臆病で、あまり泳ぎが得意な魚じゃない事から、昼間は砂やどろが混じってる深い海にじっとしている。
浅いところにあがってくるのは、夜か、海がにごってる時である。
夜に成ると、群れをつくって海岸近くにえさを口にしにくるのだ。
また、日中でも、海がにごってる時には、ちっぽけな群れで行動する。
イチモチは、寒いのが嫌いな魚で、夏の魚と云えるだろうが、地方に拠っては年中釣れる。
5から6月の春の海と、10から11月の秋の海が、イチモチにとっては活発な時期のようである。
この時期の海釣りでは、是が非でも、照準を合わせてみてはどうだろう。
6から7月の梅雨時には、子持ちの、「美形(形の良いもの)」が釣れる。
この時期は数もおおく的にできる、旬と云える。
暑過ぎる季節も不得意なのか、8月はお休みである。
9月に成るとまた、数が出始める。
イチモチ釣りは、静かな凪の日がよく、台風等で海が荒れている時はお休みである。
台風の季節が過ぎ、11月ごろまでは、大型のものを的にできる。